50代の転職で年収は維持できる?「維持か減額か」の前に決める希望レンジの作り方

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「50代で転職したら年収は下がる」——検索すると、そう書いた記事ばかり並びます。下がるのは分かった。では自分は、どこまでなら下げられるのか。住宅ローンや教育費が頭にあるなら、知りたいのはそこのはずです。この記事では、「維持できるかどうか」という問いを「自分の希望年収レンジをどう決めるか」に置き換える方法を扱います。当ブログが伴走している51歳・法人営業25年のケースで希望年収の考え方を組み直したときの判断も、企業名と金額を伏せて公開します。

結論|「維持できるか」より先に「どこまでなら動けるか」を決める

みなと(読者代表・35歳)
みなと
単刀直入に聞きます。50代の転職で、今の年収って維持できるんですか? ネットだと「下がるのが普通」としか書かれてなくて。
ユウタ(管理人・42歳)
ユウタ
正直に答えるね。維持できる人もいるし、下がる人もいる。逃げの答えじゃなくて、統計もそうなっているんだ。ただ、伴走しているケースを見ていて分かったのは——「維持できますか?」と考えている間は、応募先が一つも決まらないということ。この問いは自分では答えを出せない。答えを持っているのは相手側だからね。
りこ先生(CDA・キャリアアドバイザー)
りこ先生
そこが要ね。年収を維持できるかは求人側の条件とあなたの経験がどれだけ噛み合うかで決まるもの。自分の中でいくら考えても確定しない。だから順番を入れ替えるのよ。「維持できるか」を占うのをやめて、「どこまでなら受けられるか」という自分側の答えを先に持つ。これは自分で決められるし、決めた瞬間から応募先を絞り込めるわ。作るのは上限・下限・その根拠の3点セット——希望年収レンジよ。

50代の年収は下がるのが前提?統計の正しい読み方

みなと
みなと
でも「50代の転職は年収ダウンが多数派」ってよく見ますよ。あれは統計的に正しいんですか?
りこ先生
りこ先生
公的な統計はあるわ。厚生労働省の「雇用動向調査」には、転職した人の賃金が前職と比べて「増加」「減少」「変わらない」のどれだったかを年齢階級別に集計した表があるの。50代で「減少」が相応の割合を占めるのは事実。ただ同じ表には「増加」した人の割合も載っている——「50代は下がる」は多数派の傾向であって、全員に適用される決定事項ではないの。数字は調査年でも男女でも動くから、最新の統計表を自分で見るのが確実ね。

平均は自分に当てはまらない。見るのは「自分の3条件」

りこ先生
りこ先生
使い方はこう。統計は「覚悟の目盛り」として使い、判断材料には自分の条件を使う——これが正解に近いわ。年収がどう動くかを左右するのは主に3つ。①職種を変えるか ②業界を変えるか ③役職と権限が同等か。統計の平均値には、この3つがすべて混ざっているの。だから平均は、あなたの予測にはならないのよ。
ユウタ
ユウタ
この3条件は実感どおりでね。伴走しているケースは法人営業という職種は変えず、業界だけを変える方向で動いている。職種と業界を同時に変えると、年収の話は一気に不利になる——求人票を見比べていて、はっきり感じたところだよ。

実録|希望年収レンジを見直したとき、何を基準にしたか

最初は「現年収以上」で応募していた。そして動かなかった

ユウタ
ユウタ
金額は出さないけど、考え方の変化はそのまま書くね。最初は希望年収欄を「現年収以上」で埋めていた。下げると書くのが怖かったんだと思う。結果として、応募を重ねても書類の段階で止まる時期が続いた。ただし年収の希望だけが原因だったとは言い切れない。書類の書き方も応募先の選び方も同時に見直していたからね。ただ「現年収以上」と書いたまま、その根拠を説明できなかった——これは事実として残った。
りこ先生
りこ先生
因果を断定しないのは正しい姿勢ね。付け加えるなら、希望年収は「落とすための情報」ではなく「合わせるための情報」よ。高く書いたから落ちる、低く書いたから通る、という単純な話ではないの。

見直したのは「金額」ではなく「下限の根拠」だった

ユウタ
ユウタ
見直しでやったのは、金額を下げることじゃない。「なぜその線なのか」を説明できる状態にすることだった。固定費から必要額を積み上げて下限を出し、上限は「その金額をもらうなら、どんな役割を引き受けるのか」から逆算した。数字を動かす前に、根拠を作ったという順番だね。
みなと
みなと
根拠を作ると何が変わるんですか。結局もらえる額は相手が決めるのに。
ユウタ
ユウタ
変わるのは自分の迷いの量だよ。下限に根拠があると、条件が届かない求人を「見送る」と即断できる。下限を割っていても他の条件で納得できるなら、それも自分の判断として選べる。根拠は、相手を説得する道具じゃなく、自分が決めるための道具なんだ。

希望年収レンジの決め方|4ステップ

STEP1|手取りベースで「生活が回る下限」を出す

りこ先生
りこ先生
最初は額面ではなく手取りから考えるのがコツよ。住居費・教育費・保険・食費などの固定費を書き出して、「これを下回ると生活の設計が崩れる」という月額を出す。年額に戻して、税や社会保険料の分を上乗せしたものが、あなたの額面の下限。ここは希望でも願望でもなく、計算で出る数字ね。

STEP2|下限は「金額」でなく「何年で戻すか」で許容する

りこ先生
りこ先生
見落とされがちなのが時間軸。入社時に下がっても、評価を受けて数年で戻る設計なのか、上限が固定されていて戻らないのかで意味はまったく違うわ。求人を見るときは「初年度いくらか」だけでなく昇給の仕組みと、その職位の上限を必ず聞くこと。戻る道があるなら、初年度の下げは受け入れやすくなるでしょう?

STEP3|上限は「役割」から決める。金額から入らない

ユウタ
ユウタ
上限を「今より上」で置くこと自体は悪くない。ただしその額に見合う役割を引き受ける前提でね。新規開拓を任される、若手の育成まで見る、拠点を一つ預かる——金額の希望は、担う役割とセットで語ると納得感が出る。逆に、役割の話が出てこない年収希望は、相手からすると根拠のない要求に見えてしまうんだ。

STEP4|レンジは「幅」で持ち、初回の面談で先に伝える

りこ先生
りこ先生
最後は伝え方。一点の金額ではなく、幅で伝えるのが実務的よ。「下限はここ、理由はこれ。役割によっては上はここまで見てほしい」と根拠つきのレンジで渡すの。しかもこれは選考が進んでからではなく、最初の面談で。後から下限を持ち出すと、条件交渉ではなく条件変更になってしまうから。
みなと
みなと
先に言うと、紹介される求人が減っちゃうのが怖くないですか?
ユウタ
ユウタ
減ると思う。でも減るのは、最初から条件が合っていなかった求人なんだよ。面接を3回受けてから条件が合わないと分かるのが、いちばん消耗する。50代の転職は、体力より「がっかりする回数」を守るほうが大事だと感じているよ。

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年収を維持しやすい人・下がりやすい人の分かれ目

維持しやすい|職種か業界の「どちらか」を残している

りこ先生
りこ先生
傾向としてはっきりしているのはここね。職種を残して業界を移る、あるいは業界を残して職種を移る——片方を残した人は、経験がそのまま値付けの理由になるわ。両方を同時に変えると、これまでの実績を「同じ仕事ができる証拠」として説明しにくくなるの。50代は特にここが効いてくるわ。

下がりやすい|「役職名」だけを持っていこうとしている

ユウタ
ユウタ
逆に多いのが「部長職だったので同格の待遇で」という出し方。役職名は会社ごとに意味が違うから、それ自体は値付けの理由になりにくい。何人を、どんな指標で、どのくらいの期間動かしたのか——中身に翻訳して初めて条件の話になる。書類の作り方とも直結するところだね。

「下げる」と決めたときに、必ず一緒に確認する条件

総報酬と「残った場合の将来年収」で並べ直す

りこ先生
りこ先生
額面だけを比べるのは危ないわ。確認したいのは賞与が業績連動でどこまで振れるのか、退職金や企業年金の制度があるのか額面が同じでも、賞与比率が高い会社は「下がる年」があるし、退職金制度の有無は50代にとって残り年数の分だけ重みが違うの。総報酬で並べ直してから比較してね。
ユウタ
ユウタ
もう一つ入れてほしい視点がある。比べる相手は「今の年収」ではなく「このまま残った場合の数年後の年収」なんだ。役職定年や再雇用の制度があるなら、残っても下がる未来が決まっていることがある。現在地と比べると転職はいつも不利に見えるけど、将来と比べると景色が変わることがあるよ。

よくある質問|50代の年収維持について

Q. 年収を下げれば決まりやすくなりますか?

ユウタ
ユウタ
そう単純にはいかない、というのが正直な実感。下げても決まらないことはあるし、逆に「なぜこの人はこの金額で受けるのか」と理由を聞かれることもある。下げるなら、下げる理由も一緒に用意する——通勤時間、働き方、担う範囲。理由のない値下げは、かえって不安に見えるからね。

Q. 50代でも年収が上がる転職はありますか?

りこ先生
りこ先生
統計上、増えた人は確かにいるわ。ただ「上がる求人を探す」より「上がる理由がある求人に出会う」という順番ね。人手が足りない領域、立ち上げ期のポジション、その業界の知見を丸ごと必要としている会社——相手が困っているところに経験がはまったときに条件は動くの。数を打つより、噛み合う場所を探すほうが近道よ。
みなと
みなと
だいぶ整理できました。「維持できますか」は、そもそも自分では答えられない質問だったんですね。

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まとめ

「50代の転職で年収は維持できるか」——この問いに自分だけで答えは出せません。答えを持っているのは求人側だからです。そこでこの記事では、問いを「自分はどこまでなら動けるか」に置き換えました。手順は4つ。①固定費から手取りの下限を計算して額面に戻す ②下がった場合に戻る仕組みがあるかを求人ごとに確認する ③上限は引き受ける役割とセットで決める ④レンジは幅で持ち、初回の面談で先に伝える。統計は覚悟の目盛りとして使い、判断は自分の3条件(職種・業界・役割)で行う。下げると決めたときは総報酬で並べ直し、比較相手は今の年収ではなくこのまま残った場合の数年後の年収に置く。年収の維持は祈って決まるものではありません。自分の下限に根拠を持った人から、順番に交渉の土俵に上がります。まずは固定費を書き出すところから始めてみてください。

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