みなとが踏みとどまった転職|「今じゃない」と判断した3つの理由

転職コラム

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転職活動は「動き続けることが正解」と語られがちですが、動かない判断もまたキャリアの選択です。35歳・SaaS営業のみなとは、3社のエージェント登録・5社の応募を経たうえで、最終的に「今じゃない」と決断して現職に残りました。本記事では、みなと自身が「踏みとどまった理由」を3つに整理し、ユウタ(42歳・転職成功経験者)とりこ先生(CDA)の視点で、その判断がキャリア上どう機能したかを徹底解説します。読み終わるころには、「動くか動かないか」を自分の物差しで決められるようになるはずです。

「踏みとどまった」決断の背景

みなと(読者代表・35歳)
みなと
ユウタさん、りこ先生、正直に告白します。半年かけて転職活動をしてきた僕ですが、最終的に「今は動かない」と決めて、現職に残ることにしました。動き続けることが正解だと思っていた自分にとっては意外な結論で、でも今は心からそう判断してよかったと感じています。
ユウタ(管理人・42歳)
ユウタ
すごく大事な話だね。転職ブログだと「動いた成功談」ばかり目立つけど、僕も42歳で動く前に2回踏みとどまっている。動かない選択は失敗じゃなく、「動くタイミングを精緻化した結果」なんだ。みなとが何をどう判断したのか、3つの理由を一緒に整理していこう。
りこ先生(CDA・キャリアアドバイザー)
りこ先生
CDAの統計でも興味深いデータがあるの。転職エージェント登録者のうち、実際に内定承諾までいくのは約30%。残りの70%は「内定を取らずに活動を止める」「内定を辞退して残る」を選んでいるわ。つまり踏みとどまる人のほうが多数派なの。問題はその「とどまり方」で、後ろ向きに残るのか、判断として残るのかで、その後のキャリア満足度が大きく変わってくるのよ。

何度も登録した転職サイトと、向き合った半年

みなと
みなと
振り返ると、登録したエージェントは3社、面談は合計5回、応募までいったのは5社、書類通過2社、一次面接1社、ここまで進んだうえでの判断でした。「動いてみてはじめて見えるもの」がたくさんあり、もし全く動かないまま「今じゃない」と言っていたら、それはただの先延ばしだったと思います。
ユウタ
ユウタ
これは本当に重要なポイントで、「動いた結果としての踏みとどまり」と「動かないまま残る」は全くの別物。前者は次に動くべきタイミングと条件が明確で、後者はただモヤモヤを抱えたまま現職に居続ける。みなとの選択は、明らかに前者だね。

直前で止まった、僕なりの理由

みなと
みなと
一次面接まで進んだ会社の二次面接日程が確定したタイミングで、「このまま進めて本当にいいのか?」と急に手が止まりました。年収はほぼ横ばい、業務内容はやや拡張、企業規模は半分。動く理由を改めて言語化したら、それまで気にしていなかった3つのことが大きく見えてきたんです。
りこ先生
りこ先生
二次面接前の「立ち止まり」は、30代後半ではとても健全な反応よ。キャリア理論では「クルンボルツの計画的偶発性理論」が有名で、計画と偶発の境目を見極めるのが30代以降のキーになるの。みなとが挙げた3つの理由を一つずつ見ていきましょう。

理由①:現職の3年計画がまだ機能していた

次の評価が見えていた

みなと
みなと
1つ目は、現職での3年計画がまだ機能していた、ということです。半期評価で次のステップ(主任→係長)が射程に入っていて、あと6か月で昇格、年収+50万の見込みがほぼ確定していました。これを置いて出るのは、転職先の年収が今より低い時点で機会損失が大きすぎると気づいたんです。
ユウタ
ユウタ
これは僕も42歳の時に経験した。当時のチームで進めていたプロジェクトがあと3か月で着地予定で、「ここで成果を出して職務経歴書に書ける形にしてから動く」と決めた。実際それで提示年収が80万上がった。みなとの場合も、係長になってから動けば、提示年収のレンジが1段階上がる可能性が高いね。

残った成果を抱えて出るのはもったいない

みなと
みなと
進行中の大型案件が3つあって、いずれもクロージング前。「成果が出る直前で離脱する」のは自分のキャリア資産的にも、社内人脈的にも非効率だと判断しました。クロージング後に成果として持っていけば、職務経歴書に「年商◯億の案件を主担当で完遂」と書ける。これがあるかないかで、面接の説得力が全く違うのは活動中に痛感しました。

理由②:家計と住宅ローンの現実

一時的な年収ダウンに対する家計の耐性

みなと
みなと
2つ目は家計の話です。妻と話し合った結果、「一時的に年収50万までのダウンなら耐えられるが、それ以上は厳しい」という結論になりました。一次面接まで進んだ会社の最終提示見込みは、現状から-30〜+20万円の幅。年収アップ幅としては微妙で、リスクを取って動く根拠が弱かったんです。
りこ先生
りこ先生
家計の耐性ラインを数字で持っているのは、とても良い準備よ。30代後半の転職で年収アップに成功するのは全体の約4割。残りの6割は横ばいまたはダウンなの。みなとのように「許容ダウン幅」と「上限ライン」を夫婦で合意しておくと、感情ではなく数字で判断できるから、後悔しにくい意思決定になるわ。

住宅ローン審査のタイミング

みなと
みなと
もう一つ大きかったのが住宅ローンです。妻と来年中にマンション購入の話が進んでいて、住宅ローン審査では「同一勤務先での勤続年数3年以上」が金利優遇の条件になるケースが多いと、銀行に確認していました。今ここで転職すると、勤続リセットで金利が0.1〜0.3%上がる可能性がある。35年ローンで考えると、これだけで生涯200〜500万円の差になります。

理由③:市場価値が想定より低かった

ビズリーチでのスカウト水準

みなと
みなと
3つ目は、自分の市場価値が想定より低かった、という事実です。ビズリーチ公式を3か月使ってみて、届いたスカウトは月10〜15件。提示年収レンジは550〜650万で、現職の580万とほぼ同水準。「動けば年収50万は上がるはず」という見込みは、市場からは支持されなかったんです。
ユウタ
ユウタ
これは僕もよくわかる。40代前半で転職した時、最初の3か月のスカウト水準を見て「今動いても横ばい止まり」と判断して、半年スキルアップに投資してから再開した。結果、半年後のスカウト水準は100万円上がって、提示年収も交渉余地が広がったよ。市場価値は「動いてみて初めて分かる」というのがリアル。

求められるスペックと提示年収のギャップ

みなと
みなと
面接で求められたのは「年商10億規模のチーム統括経験」「BtoB SaaS新規事業立ち上げ経験」。現職のスペックと求人票の要求の間にギャップを感じる場面が増え、これを埋めずに今動くと、入社後に再評価でつまずく未来が見えました。
りこ先生
りこ先生
「入社後ギャップ」は、30代後半転職で最も多い後悔ポイントなの。転職後1年以内に再転職を検討する人は約23%と言われていて、その理由のトップは「想定と実務のスキルレベルが乖離していた」。みなとの「ギャップを埋めてから動く」という判断は、長期キャリアでの安定性を優先した賢い選択よ。

「今じゃない」と判断したあとに何をしているか

業務外で身につけているスキル

みなと
みなと
動かない期間を「停滞期」にはしません。今は業務外で①SQLとSalesforceの管理者資格②マネジメント書籍の月2冊読了③副業で個人事業主の営業支援の3つを進めています。1年後の市場価値を確実に底上げするのが目的です。
ユウタ
ユウタ
これが「動かない期間の使い方」として理想的なパターン。資格・読書・副業の3点セットは、職務経歴書に書ける「具体的アクション」になる。半年後にエージェントと再面談したとき、市場価値が確実に1段階上がっている見せ方ができるよ。

半年ごとの市場チェック習慣

みなと
みなと
もう一つ続けているのが、半年に1回エージェントと面談して市場感を確認すること。アクティブな転職活動はしないけれど、求人票を眺める・スカウト水準を見るだけは継続しています。これによって「いつでも動ける状態」を維持しています。
りこ先生
りこ先生
「半年ごとの市場チェック」は私が30代の方すべてに推奨している習慣よ。転職市場は1年で需給バランスが大きく変動するから、定期観測なしで「いざ動こう」と思っても、ベストタイミングを逃すリスクがあるの。みなとの動き方は、まさに「キャリアの定期健診」として機能しているわ。

踏みとどまる vs 動き続ける、どっちが正解?

みなと
みなと
正直に言うと、踏みとどまった今でも「あの一次面接、最後まで進めたほうがよかったかも」と一瞬よぎる夜があります。「動かない=正解」とは思っていません。ただ、今の自分にとっては、3つの理由のどれもが「動くべきタイミングではない」と告げていた、というだけ。
りこ先生
りこ先生
キャリアに「絶対的な正解」はないの。あるのは「その判断を、自分が納得して下したかどうか」。みなとは半年活動して、市場と家計と現職を見渡したうえで決めた。これは「動かない選択」ではなく「動くタイミングを明確化した選択」よ。後悔のない判断のひな型としては、教科書に載せたいくらい綺麗な意思決定プロセスね。
ユウタ
ユウタ
30代後半〜40代は、動くにしても動かないにしても「次に動く条件」を3つ書き出しておくといい。みなとなら「①係長昇格後 ②住宅ローン実行後 ③副業で年100万到達後」みたいに。そこに達したら自動的に動く、達さなければ動かない――この線引きさえあれば、迷いに飲まれずに済むよ。リクルートエージェント公式

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まとめ:「踏みとどまる判断」を後悔しないために

みなとが半年の転職活動を経て「今じゃない」と判断した3つの理由を整理しました。最後にポイントを再確認します。

  1. 現職の3年計画がまだ機能している:昇格や進行中案件など、現職で取り切れる成果は取ってから動く
  2. 家計と住宅ローンの現実:年収ダウン許容幅と勤続年数リセットの影響を数字で把握する
  3. 市場価値が想定より低い:スカウト水準と求人票のスペック要求を踏まえ、ギャップを埋めてから動く

そのうえで踏みとどまる場合は、「動かない期間の使い方」を業務外スキル・副業・半年ごと市場チェックで具体化することが、次の動くタイミングでの強さに直結します。「動く」も「動かない」も等しくキャリア選択。大切なのは自分の物差しで判断し、それを言語化して持っておくことです。みなとのように半年動いてみて初めて出せる結論もあれば、最初の市場チェックで判断できることもある。まずは一度、エージェントの初回面談を予約して、自分の現在地から動き出してみてください。

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